「護ってやれるなら必ずそうする。けど、そうじゃない方が圧倒的に多いだろうからな」

手が出せなかったら、ごめんな。
自嘲する様に笑んだディーノの手が、静かに頬に触れた。
彼の言い分はもっともだ。いくら同盟ファミリーであるとはいえ、ボンゴレの問題に必要以上に介入する事は出来ないし、ましてボスである彼が俺のような一介のマフィアを庇いだてするなどという事はあるまじき事だ。必要なら、俺を殺さなくてはいけない(何時かの様に)。
とうに理解しているにも関わらず、ディーノは時折それを唇に乗せる。
端的に言ってしまえば、肝心な時には見捨てる、というのと同義の言葉ではあったけれど、それはそれで構わなかった。もし仮にそういった状況下に置かれたとしても、ディーノを恨む気は無い。ボスとして当然の事だ。個を問題にしてはならない。私情に流されてはならない。俺も同じ事だ。それを解っているだけに、こうして口にする彼は律儀だと思う。

「へなちょこの手なんか、いらねぇよ」

何時か来るかもしれない日への謝罪など不要なのだと暗に告げれば、ディーノはただ哀しい瞳をして、その腕を俺の背へと伸ばす。
決して護ってはくれない手は、それでも確かに温かく触れて、恐らく、それだけで良い(それだけで、この哀しみは、)。

ALLAY PAIN


2007.4.24   上 au.舞流紆
拙宅デノ獄の基本立ち位置。お互いよりも大事な物が多過ぎる。














































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