あばら家事典 ※整理用の語録集。最近ちょっとかさばってきたのが悩みのタネ。 ア行 アイルランド ・ストラトス伯の故郷。エールともいう。ちなみに主要農産物はジャガイモ。 青い小石 ・リジェネさんがライルさんから受け取った一番最初のプレゼントにして、ライルさんの命。とある事情により、ライルさんはこの小石に魂を移している。 ・小石を壊されるとライルさんも死んでしまう。 青い古城 ・アイルランドの何処かにある、ストラトス伯の実家のお城のこと。庭には青い薔薇が咲き、銀色の蝶々が飛ぶ。内装は蔓草を模した文様と深緑で纏められており、至る所に絵画や花が飾られている。ステンドグラスや噴水もあって、人間の王侯貴族のお城にもひけを取らない。 ・ストラトス伯が幼い頃には白い薔薇が咲いていたなど、現在の姿と過去の姿には相違があるらしい。 アカリタケ ・キノコの一種。形はテングタケに似ていて、暗所に置くと発光する。基本的には金色に光るが、最近発見された亜種は銀色に光るともっぱら注目の的。主にヒダから採取される発光成分は稀少故にとっても高価。ちなみに何のために光るのかは、まだ解っていない。 アジサイグッズ ・家庭菜園兼薬草畑で栽培されたアジサイを使って作られたアレやソレ。 その1:リース 幾つか作られたうちの一つはフラットへ送られ、一つはあばら家のドアに下がっている。 その2:栞 アジサイを乾燥させる時に手伝ってくれたお礼として、ストラトス伯からティエリアさんの手に渡った。アジサイと同じ色のリボンが付けられている。 あばら家 ・ティエリアさんが住んでいる家。苔は生し放題、蔦は這い放題で、今にも倒壊しそうな風情の傾いだ木造家屋。天井に開いた穴をストラトス伯によって修理されている。 アブラコウモリ ・翼手目ヒナコウモリ科の哺乳類。体長が5cmほどなので、「コウモリの子供が怪我をしている」と成体が運び込まれるケースもしばしばあるらしい。魔力が激減する日のストラトス伯は、大抵この姿に変身している。その際の体毛はよく炒ったナッツ色。 いかがわしい本 ・女の人の裸の写真ばっかり載っている、ちょっとアレな本。吸血鬼社会にはこういった用途の本が全く存在しないので、珍しがったライルさんはこの本の蒐集を趣味にしていた。ちなみに、ティエリアさんはこういった類の本の用途を知らない。 石の牙 ・純血種の吸血鬼が持つ能力の一。「噛んで、その血を飲む」だけで人間を吸血鬼に変えてしまう力のこと(非純血種の吸血鬼は人間の血を吸い、その人間に自らの血を与えることで、人間を吸血鬼化させる)。 石の眼 ・純血種の吸血鬼が持つ能力の一。眼を見た者の身体の自由を奪い、操ることができる力のこと。吸血鬼以外の生物に対して有効な能力であり、能力を行使する時は虹彩が青に変化、瞳孔が縦方向に伸びる。 ・一般に、色彩変化を起こす前の目の色が青に近ければ近いほど強い能力を持つと言われているが、どうやら例外も存在するらしい。 いつものパン屋さん ・ライルさんが仕事帰りに立ち寄る小さなパン屋さん。ライルさんが此処で「いつものやつ、」と言うと、ソーダブレッドが出てくる。 ヴェーダ ・ティエリアさんの育て親にして師匠。ティエリアさんに魔法薬作りや魔物退治のノウハウを叩き込んだのはこの人。 ・極度の合理主義者なので、日常生活を文化的なものにしようとは露ほどにも思わない。 ・随分前に死亡しているらしい。 ・稀代の研究者でもあり、その探究心の深さから、自分の意志と研究を引き継ぐものとして、何体かの人工生命体を作り上げている。 ・吸血鬼のことを毛嫌いしており、資料の端っこに『我々と吸血鬼は決して相容れぬ、』と殴り書きしてしまうほど。この毛嫌いの結果がリジェネさんである。 エイミー・ディランディ ・ストラトス伯とライルさんの妹。うんと昔に吸血鬼ハンターによって殺されてしまっている。 ・純血種の吸血鬼として欠陥を抱えており、石の眼の能力が全く無い。加えて虚弱体質。 エベレスト ・ヒマラヤ山脈中にある世界最高峰。または、"ティエリアさんのプライドの高さ"の形容。 絵を描く ・ストラトス伯の趣味の一つ。ノッてくると筆が止まらなくなるので、ティエリアさんはあまりモデルになりたがらない。 お医者さん ・ヴェーダさんのおともだちにして、共同研究者。人工生命体の開発にも関わっている。 ・人間とは違う時間の流れに生きていて、今は廃村に一人で住んでいるらしい。 ・尚、凪沢さん宅で公開されている「ストラトス伯とティエリアさん×夢」シリーズは、主人公がこのお医者さんポジションに納まっている。 お祈り ・ストラトス伯の就寝前の日課。吸血鬼には信仰する宗教は無いというのが定説だが、ストラトス伯はお母さんからお祈りを習慣付けられていたため、お祈りを欠かさない。 お手製 ・あばら家で作り置きされている加工食品は、全てストラトス伯が作っている。バター、チーズ、燻製ハム、クロテッドクリームなど種類は多岐にわたるが、どれもなかなかの一品。製造におけるストラトス伯のセオリーとして、一度目はレシピ通りに、二度目以降は自分とティエリアさんの味覚に合わせて改良していく、という手順を多く踏んでいる。 ・とうとう石鹸まで作り始めたらしい。 カ行 街灯点燈夫 ・職業の一。毎日決まった時間に街中のガス灯へ火を入れたり、その火を消したりする。ライルさんの暮らしている街では青い外套とカスケットが制服になっていて、結構目立つイナセな花形。 カノーの花 ・真っ白な五枚の花弁を持つ花が咲く、蔓状の植物。神話では、天と大地とを繋いだ魔法の蔓草として描かれている。そのため、この神話を題材にした星祭りの日には大きな街のいたるところでこの花が見られる。 咬む ・吸血鬼にとって、とてつもなく意味のある行為。吸血のために人間を咬む他、同胞に対しての愛情表現・生殖行動の一環としても行なう。主に項や首筋、鎖骨の辺りを咬んだり咬まれたりするのが気持ち良いらしい。よって、人間でいうところの「ヤりたいなあ、」というのを吸血鬼にいわせると「咬みたいなあ、」となる。 棺桶 ・人間が使用する埋葬用品。人間たちの間の俗信として「吸血鬼は死んだ悪人が変化したものなので、棺桶に入って眠る」というものがあるが、それは全くのマユツバ情報。しかし、ヴェーダさんの残した書物にも同じことが書かれていたので、ティエリアさんはそれを鵜呑みにしていた。 キス 人間の行動の一。唇を相手の唇やその他の場所へくっつけて、親愛の情を示すこと。吸血鬼にはキスの文化が存在しないため、ストラトス伯は街中でキスをしているカップルを見て、食料を口移ししているのだと勘違いしてしまった。 キャベツ色の聖書 ・ストラトス伯が夜のお祈りの時に使っている聖書。お母さんから貰った、まさしく人生のバイブル。 ・ストラトス伯がティエリアさんにとっ捕まってからは、長らくお城に置きっぱなしにされていたが、今はストラトス伯の手元にあり、形見の品として大切にされている。 吸血鬼 ・種族の一。人間の血を糧にして生きる長命種で、人間からは"天敵"として忌み嫌われている。 ・吸血鬼の特徴・習性などについては、現時点では以下の事項が確認されている。 @階級制社会が根付いており、高位の吸血鬼は高慢ちきの懐古趣味らしい。 A魔力と反発するにんにく・銀が苦手。 B影が出来ず、その姿はガラスや鏡には映らない。レンズを介してフィルムに映像を結ばせるカメラの類にも姿を残すことができないので、彼らの視覚的記録の全ては絵画によってなされる。 C日光を浴びると死ぬので、夜にしか活動できない。死ぬと灰になる。 D芸術活動を愛している。特に絵画が人気で嗜む者も多いが、必然的に夜の絵ばかりである。 E動物の姿に変身することができる。 F数年に一度、魔力が極端に弱くなる日がある。周期は個体によってまちまち。この日は動物に姿を変えて静かに過ごすのが慣習になっている。 G長期に渡って人間の血液を摂取できないと、弱体化していく。 H特定の宗教を信仰することはしない。 I上流社会の吸血鬼には、名前を二つ持つというしきたりがある。 J気に入れば誰とでも寝る享楽主義者が大半。これは、吸血鬼の絶対数が極端に少なかった時代の慣習が形を変えて残っているものである。 K動物と若干の意思の疎通ができる。 L純血種の吸血鬼は「石の牙」の能力を持っている。 M夜目が利き、視力も良く、夜でも数キロ先の猫を見つけられる。 N人間に比べると身体能力や反射神経が格段に高く、自己再生能力も持っている。 O三日月の晩は魔力が低下しがち。 P純血種の吸血鬼は「石の眼」の能力を持っている。 Q生まれた日に魔力の質や量が不安定になって、体になんらかの異変が起こる。魔力が不安定になるのは一時的なものなので、一日経てばもとに戻る。 R血の色は黒い。 S星の声を聴くことができ、それを人生の指標にしている。 吸血鬼ハンター ・吸血鬼の討伐を職業としている人間のこと。またはリジェネさんの職業。教会に所属している正規のハンターと、無登録のハンターがいる。無登録のハンターは特に違法というわけではないが、よほどの腕がなければご飯を食べていけないので、なかなか難しい選択肢。 霧の鏡 ・いつでも何処でも霧がかかっているように見える鏡だが、吸血鬼だけはくっきりと映すことができる。ストラトス伯の大事な宝物。 銀 ・貴金属。原子番号は47、元素記号はAg。生活必需品や宝飾品として用いられる一方、吸血鬼避けとしても珍重されている。 クリスマス ・大人が散財したり、こっそり子供部屋に忍び込んだりする12日25日のあの行事。一般に、靴下の中に欲しいものを書いた紙を入れておくと、サンタクロースと呼ばれるおじいさんがやってきて、プレゼントをくれると信じられている。ちなみに、サンタクロースの衣装はもともとは黒だったが、某有名会社のCM戦略によって今のカラーリングが定着したのは有名な話。 血液 動物の体内を循環する体液の一であり、吸血鬼の唯一の糧。人間の血は赤血球、白血球、血小板、血漿から成るが、吸血鬼はそれらの成分を糧としているのではなく、血中に溶け込んだ呪力、所謂"生命力"を取り込んでいる。ちなみに、この生命力は無機物に触れると呪力を失くす傾向にあるらしく、吸血鬼は獲物の傷口に直接口をつけて血液を摂取しなければならない。例外として、嬰児・幼年期の吸血鬼は牙および顎の力が未発達であるため、親などからの口移しによって血液を摂取する。 月光栽培ハーブ ・三年間月の光だけをあてて栽培された拘りのハーブ。生前のヴェーダさんが提唱していた研究には欠かせないものらしい。「マメなお世話」が上質のものを作る秘訣。 香水 ・香料をアルコールに溶解したもの。吸血鬼は身嗜みにたいへん気を使うので、香水を使用する割合が高い。ストラトス伯もしばしば使用している。 紅茶 ・飲料。ストラトス伯とティエリアさんがよく飲む。定番はダージリンだが、アッサムなど他の茶葉も常備している。ストラトス伯は熱い紅茶をデミタスカップに一杯飲むのを就寝前の日課にしている。 5時間26分 ・ストラトス伯がティエリアさんに告白する時に要した時間。しかし、この時間に話した事柄の殆どはティエリアさんに理解されなかった。 小回りのきく高齢者 ・ティエリアさんによる"サンタクロース"の訳語。 サ行 三匹の鼠 ・ストラトス伯の家事の手伝いをしてくれる真っ黒鼠と真っ白鼠と小さな灰色鼠。随分前からあばら家の天井裏に住み着いていて、ストラトス伯とは今ではマブダチの仲。ちなみに三匹ともハツカネズミ。 散歩 ・ストラトス伯の趣味の一つ。コースを決めず、気侭に歩くのがストラトス伯流。帰宅すると"お土産"と称して、珍しい薬草や木の実、鉱物をティエリアさんに進呈することも。 ・時折道無き道の奥まで行くこともあるが、それは動物の血を吸うためである。ティエリアさんには勿論内緒。 写実主義 ・芸術理論の一。現実を美化することなく、在るがままに描くべきだという考え。ティエリアさんに言わせると、画家としてのストラトス伯は此処に属する。耽美主義を推奨する吸血鬼一族の中ではイレギュラーな思考。 銃 ・武器の一。主に吸血鬼に対して用いられ、材質は特殊な溶液でコーティングされた銀が殆ど。ちなみに銃が開発される以前は、銀製の杭や弓矢などが主流だったらしい。 手芸 ・ストラトス伯の趣味の一つ。レース編みから始まり、今ではニットにも熱をあげているらしい。 純血種 ・他の部族を交えず、同族の雌雄間に生まれたもの。吸血鬼に関してこの言葉が使われる場合、原初の吸血鬼である"始祖"に連なる血筋の者を指す。今では非純血種との交配が進んでいるため、純血種およびそれに準ずる吸血鬼は減少を続けている。純血種は非純血種と比較して各種能力に秀でている場合が殆どであり、また、階級制社会が根付く吸血鬼社会において、純血種は無条件で敬意を払われる対象と成り得る存在らしい。尚、純血種と非純血種間で子を成す事は可能だが、多くの場合、なんらかの欠陥を抱えて生まれてくる。 人工生命体 ・ヴェーダさんととあるお医者さんの研究の成果。基本構造は普通の人間と同一だが、諸事の劣化速度はかなり遅く設定されている。また、身体能力や海馬に対して外部から干渉することができるので、特定の能力だけに特化させることや、記憶の操作も可能。 新薬の開発 ・ティエリアさんの数少ない趣味の一つ。材料の微細な変化によって完成度を左右される、非常に繊細かつ困難な作業。 ストラトス伯のピン ・ストラトス伯が爵位を継いだ日からつけているピン。金の台に真っ赤な石が付いている。今はティエリアさんのだぼだぼローブの襟元を留めている。 ソーダブレッド ・イースト菌を使わずに重曹を加えた無発酵のパン。フラットの食卓の定番。 タ行 タイプ0988 ・ティエリアさんとリジェネさんを構成する塩基配列パターンの識別番号。 耽美主義 ・美しさに重きを置く考え方。ゴーティエの「無用なもののみが美しい」という言葉は有名。吸血鬼一族は概してこのような思考を持っている。 小さな空き瓶 ・あばら家のテーブルの上にある出所不明の小瓶。最近はストラトス伯が育てた花を活けるための花瓶として活躍中。 小さなクリスマスツリー ・あばら家唯一のクリスマスグッズで全長は約20センチほど、ライルさんとリジェネさんからの貰い物。暗いところへ置くと、普段は灰色をしている葉っぱの一枚一枚が白っぽく光る。これはアカリタケの亜種からとった発光成分が塗布されているためらしい。 チョコレート・トリュフ ・ストラトス伯とライルさんが、ティエリアさんとリジェネさんのために作ったバレンタインデーの一品。ライルさんが作ったトリュフは、見た目が全くの"泥団子"だった。 使い魔 ・力の強い吸血鬼が所有する魔物の従者のこと。主人である吸血鬼の内面や魔力の質が具現化された存在なので、その姿や能力は千差万別。獣の姿をしたものから虫に似たものまでとバリエーションは実に豊富。ティエリアさんはストラトス伯の使い魔を"鋭い牙が生えているとか、頭が三つあるとか、ニョロニョロしているとか、凶悪でごっつい感じ"のだと思っていたため、現れたハロの姿を見てものすごいショックを受けた。 ティエリア・アーデ ・ヴェーダさんととあるお医者さんによって作られた人工生命体の一個体で、ヴェーダさんの薬物に関する研究の継続が使命。リジェネさんとは塩基配列を同じくするため、見た目がそっくり。身分的には一般ピープルで、育て親のヴェーダさんを亡くしてからは深い森にたった一人で住んでいたが、最近はちょっと変わった吸血鬼のストラトス伯と妙な同居生活を送っている。 ・幼少時代よりヴェーダさんからありとあらゆる教えを受け、従ってきたので、やっぱり極度の合理主義者。だが、ストラトス伯と暮らすうちに、だんだんと人間らしさを身に着けてきている。 ・几帳面で融通が利かない性格。完璧主義者でもある。 ・小さくて温かくて柔らかそうなものが苦手。 ・私物(特にヴェーダさんの遺品)に触られるのと、街(人の多いところ)へ行くのが嫌い。 ・実は甘党 ・身体の修理を繰り返しながら、100年以上生きているらしい。 ディランディ家 ・つまるところの、ストラトス伯爵家。前ストラトス伯であるお父さん、お母さん、現ストラトス伯のニールさんとその双子の弟のライルさん、末っ子のエイミーちゃんの5人家族だが、前ストラトス伯とお母さんとエイミーちゃんは吸血鬼ハンターの襲撃を受け、死亡している。 ・お父さんは純血種の吸血鬼だが、お母さんは人間から転化した非純血種の吸血鬼。お母さんは人間としての一切合財を捨ててお父さんと結婚したが、信仰心だけは捨てられなかった。 読書 ・ストラトス伯とティエリアさんの共通の趣味。ストラトス伯は人間の生活様式や社会に関するものから恋愛小説、料理本までを網羅、ティエリアさんはヴェーダさんから受け継いだ専門書を読んでいる。ストラトス伯の読んでいる本の中にはちょっといかがわしいものも混じっているが、あくまで社会勉強のためとして、興味深く拝読しているらしい。 ナ行 ニール・ディランディ ・ストラトス伯の本名。 庭いじり ・ストラトス伯の趣味の一つ。ティエリアさんの家庭菜園兼薬草畑の隅っこで、花を育てている。 人間 ・種族の一。捕食者である吸血鬼を敵視し、排除しようと必死になっている。 にんにく ・植物。人間社会では食用、特にスパイスの類として用いられ、各国の料理にひっぱりだこ。吸血鬼の持つ魔力と酷く反発するため、吸血鬼避けとして珍重される事も少なくない。 ネッカチーフ ・首に巻く布。ストラトス伯はシルク製のものを常用している。 ノーラの花 ・釣鐘状の花冠を持ち、葉や茎を含む全体が乳白色の硝子質でできている。虫媒花だが、虫を誘き寄せるのに使用するのは蜜ではなくて、音。雨が降る事で音を出すので、雨の多い地域に見られる。 ・乾燥させると花弁の大きさが半分ほどに縮み、色も濃い瑠璃色になる。おしべとめしべを抜き、代わりにガラス製の舌をいれると良い音が鳴るので、お土産やインテリア、呼び鈴にも最適。ちなみに、このように加工されたノーラの花の音には虫を寄せる力はない。 呪いのピン ・ティエリアさんがお仕事の報酬に貰ったピンの数々のこと。それぞれにものすごく不気味な曰くが付いている。ストラトス伯はこれらを"呪いのピンシリーズ"と呼び、曰くを聞きたがらない。 ハ行 バターの味 ・ストラトス伯による"人間の血液の味"の形容。吸血鬼にとってはそのように感じるものらしい。 春色ピンクのカーディガン ・春色ピンクの毛糸で丁寧に編まれたとっても温かいカーディガン。ティエリアさんの大事な宝物。 バレンタイン ・チョコレートに愛情や感謝や義理を込めたりしてプレゼントする、2月14日のあの行事。ストラトス伯にとっては、いろんな意味でメモリアルな日。 ハロ ・ストラトス伯の使い魔。そのあまりにもファンシーかつメルヘンな外見で、ティエリアさんをものすごいショックのどん底へ叩き落した。また、ストラトス伯が5時間26分かけてティエリアさんに一世一代の告白をしている最中は散歩に出かけるなど、さりげなく空気を読んでいる使い魔の鏡でもある。 ハロウィン ・「trick or treat!(お菓子をくれなきゃ悪戯するぞ!)」で有名な、10月31日のあの行事。人間達はこの日には幽霊や悪い魔女が家へやってくると信じているので、仮面を被ったりして彼らから身を守る。幽霊や魔物に扮するのもその一環。この日に街へ降りたストラトス伯は、「吸血鬼に扮した人間」と勘違いされ、子供やお嬢さんにモテモテだった。 非純血種 ・他の部族の者との間に生まれたもの、所謂ハイブリッド。吸血鬼社会における「非純血種」という言葉は、狭義では「人間から転化した吸血鬼」、広義では「純血種の吸血鬼と人間から転化した吸血鬼との間に生まれた吸血鬼」や「人間から転化した吸血鬼同士の間で生まれた吸血鬼」のことを指す。より始祖に近しい血を持つことを至上とする吸血鬼社会において、非純血種はその血が始祖から遠いほど卑しいとされ、ぞんざいな扱いを受けることになるらしい。 ふかふかの高級なソファ ・リジェネさんの私物にして、彼のベッド。とある出来事をきっかけにソファベッドが導入されたため、今はベッドを卒業し、本業のソファとして活躍中。 不思議な岩 ・ストラトス伯が散歩中に見つけた岩。魔力を吸い寄せる性質を持っていて、相性が良いらしいストラトス伯はこの岩を見つけると同時に、半日ちかく此処にぺったりと張り付くはめになってしまった。 プディング ・ストラトス伯の憧れのクリスマスメニュー。ストラトス伯はティエリアさんを驚かすためにこっそりと作って、味を想像してはにやにやしていた。 フライパン ・調理器具。または、ティエリアさんの俄か武器。 暗黒の月曜日(ブラック・マンデー) ・だぼだぼローブを繕おうとしたストラトス伯が、ティエリアさんから猛反発を受けた日のこと。ストラトス伯は、この日に起こった出来事の全てを記憶の底へと押し遣っている。 フラット ・住宅の形式の一。または、ライルさんとリジェネさんが暮らしている家のこと。ストラトス伯が「吸血鬼ハンター、て、そんなに儲かるのか?」と思ってしまったほど広い。 プリムラ ・植物。お手入れが簡単で丈夫な品種なので、街中の花壇によく植えられている。白・ピンク・黄・紫と様々な色があり、西洋サクラソウとも呼ばれる。クリスマス・イブの夜、リジェネさんにこの花の花束を贈ったライルさんは「気障たらしい」との評価を受けた。 ブルーベル ・植物。数ある種の中でも、ストラトス伯はイングリッシュ・ブルーベルの栽培に心血を注いでいる。 ぺったんこ ・凹凸が無く、まっ平らなこと。いろんな人がこの単語に振り回されたので、もはや禁止ワード扱い。 ペペロンチーノ ・イタリア料理。正式名称は「アーリオ・オリオ・ペペロンチーノ」。オリーブオイルでにんにくと鷹の爪を炒めて、茹でたパスタに絡めたもの。ストラトス伯が一番最初に覚えた料理でもある。 雪の輪殿(ペリドゥス) ・吸血鬼社会で出回っている煙草の銘柄の一。通常の煙草が精製の過程で黒ずむのに対し、白く(場合によっては銀にも)なることからこの名がついた。その歴史の古さから、「月宮殿(セニリス)」、「華宵殿(アルネスティ)」と並び、「古典三殿」として人気が高い銘柄。 星の雫 ・ある貝から採れる宝石のこと。古い書物には「その輝きは星の瞬きを凝り固めたものであり、それを煎じた薬を塗ればどんな傷もたちどころに癒える」とあるが、現存しているものはその力を失っている。これを蘇らせることがティエリアさんの最近の研究課題のひとつ。 ・これが採れる貝の身は栄養価が高く、おいしいらしい。 星祭り ・正式名称は"天高く架かる良き白き橋の星祭り"で、大きな街で催される一大イベント。天の神々と大地の神々の神話に基づき、近しい人たちとの絆を深めるお祭りとして親しまれている。 ・神話に登場するカノーの花の花弁に親しくしている人と名前を書き入れて川へ流すと、その繋がりは永久に続くと言われている。多数の人と連名で流す場合は、花弁を蔓草で繋げ、首飾りのようにして流すのがお約束。 ホットミルク ・飲料。就寝前にストラトス伯がティエリアさんに淹れてあげるのが日課になっている。ちなみにティエリアさんは温めが好きらしい。 ポトフ ・ライルさんの十八番料理。ポトフの他にはパンケーキとマッシュポテトが得意らしい。 ポラロイドカメラ ・撮ったその場で写真が出てくる、とっても便利なカメラ。ライルさんはこのカメラでリジェネさんを撮ることを趣味にしているが、リジェネさんが撮影にあまり協力してくれないのが彼の目下の悩み。 マ行 魔法使い ・周辺の村人たちがティエリアさんにつけたあだ名。ティエリアさんが自称しているわけではない。 魔力 ・人間以外の存在、所謂魔物の類が有している不思議な能力の源。個体によって質が異なる。ストラトス伯はティエリアさんにこれを封じられてしまっているので、弱っちい吸血鬼になってしまっているが、本人はあまり気にしていない。 マンドラゴラ ・魔法植物の一。土から引っこ抜くと金切り声をあげ、この声を聞いた者は死んでしまう。見た目は皺くちゃの赤ん坊のようだが、ある程度の言葉を理解するなど、動物に近いところも多々見受けられる。様々な薬の材料になるため、苗や種が市場にも出回ることがある。 ・ティエリアさんが独自に開発したマンドラゴラの声には殺傷能力がなく、せいぜい気絶程度で済ませられるため、安心・安全のブランドとして定着しつつある。 水鏡 ・吸血鬼たちが使う鏡。決まった日、決まった時間に摘んだ特定のハーブを乾燥させ、麻紐で束ねて、水を張った桶やたらいに沈めて作る。鏡になっても水は水なので、斜めにしたり、壁にかけたり出来ないのがちょっぴりネック。 水草色のピン ・ヴェーダさんが生前に使用していたピン。銀に似た金属の台に、淡いような深いような、緑色のような水色のような、なんともいえない風合いの石が付いている。ティエリアさんのベッド脇のサイドテーブルに長らく仕舞われっぱなしだったが、今はストラトス伯のネッカチーフを留めている。 水煙草 ・ライルさんのだいすきな嗜好品。煙草の煙を一度水に潜らせてから吸うため、通常の煙草よりも害は少なくなり、味もまろやかになると言われている。雪の輪殿(ペリドゥス)、断崖の女王(レウコトリカ)など、様々な種類の銘柄がある。 ・わりとヘビースモーカーなライルさん(ただし、現在わりと禁煙中)に比べ、ストラトス伯は気晴らしに嗜む程度で、その際は大抵「人魚の夢(ペエルズィ)」を吸っている。 ヤ行 雪だるま ・雪を丸めたものを積み重ね、木や石、木の実などで腕を付けたり顔を書いたりして作る人形のこと。ティエリアさんは雪だるまを作ったこともなければ見たこともなかったため、ストラトス伯が作った2メートルほどの巨大な雪だるまを魔物だと思い込んでしまった。 ラ行 ライル・ディランディ ・ストラトス伯の双子の弟で、猛アタックの末にリジェネさんと一緒に街で暮らしている都会っ子な吸血鬼。 ・わざと子供っぽく振舞ったり、悪ぶったりするところもあるが、根は良い奴。とある理由から昔はストラトス伯のことを嫌っていたが、今では立派なブラコンで、ストラトス伯に張り付きがち(本人にはそんなつもりはない)。 ・年齢は400歳を越えているらしい。 ・一丁前に街灯点燈夫のお仕事をしている。 ・水煙草を吸うのが好き。 ・月に一度リジェネさんの血を吸うことで生きている。 ・純血種に連なる吸血鬼として欠陥を抱えており、石の牙の能力を持っていないどころか、人間を吸血鬼にする能力自体が無い(ある人間がライルさんに血を吸われ、その血を与えられたとしても、その人間は吸血鬼化しない)。 ・石の眼の能力が異常に強く、耐性を持つ相手をも操ることができる。 ・青い小石に魂を移しているため、寿命がくるか、石が壊されるかのどちらかが起こらない限りは生きることができる。 リジェネ・レジェッタ ・ヴェーダさんととあるお医者さんによって作られた人工生命体の一個体で、人間の宿敵である吸血鬼の根絶が使命。ティエリアさんとは塩基配列を同じくするため、見た目がそっくり。無登録の吸血鬼ハンターだが、今は教会の雇われハンターの身で、街中のフラット(事務所兼自宅)にて、家事一般をこなす勤労吸血鬼のライルさんと同居中。 ・ハントの腕は超一級で、100年以上の長きに渡り"無敗のハンター"の名を汚したことはない。 ・とある事件が理由で感情の発露が抑制されているが、ライルさんと暮らすようになってからは本当の感情を時折覗かせることも度々出てきた。本来の彼は、感情にはわりと素直で積極的であり、冗談を言うこともある。 ・吸血鬼を倒すために基本的な身体能力や反射神経が高められており、自己再生能力も持っている。血は石の牙の力に反応して毒に変わるため、リジェネさんの血を吸った純血種の吸血鬼は灰になってしまう。 ・日々の激戦のために身体の磨耗が激しく、数十年に一度、身体をまるっと取り替える必要がある。その際には、ヴェーダさんとお医者さん、ティエリアさんに関する基本情報以外の記憶は全て失われてしまう。 ・煙草の煙が大嫌い。 ・ライルさんをいろんな意味で死なせないために、自分の血を与えている。 ・仕事以外で吸血鬼を撃つことは禁止されている。 断崖の女王(レウコトリカ) ・吸血鬼社会で出回っている煙草の銘柄の一。険しい崖にしか咲かない美しい花から作られるため、この名がついた。辛くてパンチのきいた濃厚な味と、それに反する甘い後味・香りに、コアなファンが多い。 レース編み ・糸を編んで透かし模様を作る技法。ストラトス伯のあまりののめり込みように、ティエリアさんは「レースを編むのは週二日にしてください」と規制をかけなくてはならなかった。ちなみにストラトス伯がはまっているのは「刺繍レース」と「鉤針編みレース」。作中に登場するクロッシェレースはアイルランドのお家芸として有名。 レモネード ・夏に美味しい飲料。水とレモン、蜂蜜、ミントでお手軽に作れる。ティエリアさんはちょっと気に入っている。 ロックオン・ストラトス ・アイルランドの何処かに居城を構える吸血鬼一族の名門・ストラトス伯爵家の現当主。今は魔力を封じられ、ティエリアさんのお家で家政夫さんをしている庶民的でアクティブな吸血鬼。 ・性格は至って温厚で、気は長いほう。頼られると拒めないタイプのお人好し。 ・とにかく多趣味。 ・もともとが人間たちに歩み寄りたいという思考の持ち主だったので、ティエリアさんとの同居生活を送っているうちに人間の血を吸うことに本格的に抵抗を覚え始め、今では一切口にしていない。森の動物の血を飲むことで空腹を誤魔化しているが、弱体化は確実に進んでいる。 ・実は甘党 ・体質は純血種と殆ど変わらないため、「石の牙」の能力を持っているが、そのために血を吸った人間を殺さなくてはならないので、この能力をとても疎ましく思っている。 ・年齢は400歳を越えているらしい。 ・家族を吸血鬼ハンターに殺されており、"吸血鬼だから"という理由だけで引き金を引く吸血鬼ハンターを嫌っている。 ワ行 藁の山 ・何処にでもある藁をたくさん積んだもの。あばら家にはベッドが一つしかないので、ストラトス伯はこれにシーツをおっ被せてベッド代わりにしている。寝心地は意外に良いらしい。 |
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