今日は土曜日です。
いつものようにお部屋へ引き篭もって新作のエロゲ(ちょっと過激な陵辱ものみたいです)を始めたニールさんに全面戦争を挑むべく、ライルさんは最終兵器を送り込もうとしていました。



「…とまあ、そういうわけで、今まで黙ってたが、俺の兄さんすげぇオタクなんだよ。もう29なのにいまだに彼女もいないし童貞だし。思うに、三次元の良さが解ってないからダメなんだよな。それで、まあ、ものは相談なんだが、」
「僕にお兄さんの筆下ろしをしてほしい、て事だね」
「…言わなくても解ってくれるお前を愛してるよ、リジェネ」

深い深い溜め息を吐いたライルさんに、リジェネ、と呼ばれた男の子が「ライルの事なら何でもわかるよ」と言って、にこっと笑います。
緩く癖のついた濃紫の髪に赤い瞳、痩せ気味の身体を覆う肌は真っ白です。
小さな顔に、縁無しの大きな眼鏡がよく似合ってます。
このリジェネさんとライルさんとの間柄は、実は恋人同士。
めたくそにハードなSMモノのAVで共演したのを切っ掛けにお付き合いを始めた二人ですが、今ではツーカーの仲で、一緒のお家(といっても、一軒家ではなくて、高級マンションの一室です)に住んでます。


さて、あの口喧嘩の日から、ライルさんはなんとかニールさんを三次元に引き戻すために、あれこれと作戦を考えたのですが、最終的に行き着いたのは実にシンプルなものでした。
実際に体験させて「三次元すげぇ、三次元最高」と思わせる事、これです。
けれども、これを実行するには、台になってくれる人が必要でした。
しかも、あのニールさんに白旗をあげさせるのですから、とびっきり可愛くて綺麗な台でなくちゃいけません。
それから、積極的で、技術があって、リードも上手で、できれば後腐れの無い子だと完璧です。
ライルさんは携帯電話のアドレス帳と睨めっこしながら考えたのですが、知り合いにはなかなかそういう子はいません。
よしんばいたとしても、「オタクの童貞だけは勘弁して!」という子だったりするのです。
考えあぐねたライルさんが白羽の矢を立てたのが、自分の恋人であるリジェネさんでした。
なにしろリジェネさんは女の子みたいな見た目をしています。
それに、AVのお仕事をしていた時には、襲い受やSMの女王様の役なんかもこなしてましたから、積極性も技術面もリードの腕前もばっちりです。
三次元の導入部としては、申し分ありません。
ちなみに、ライルさんには、自分の恋人をお兄さんに宛がおうとしている事に対する躊躇いはありません。
というか、リジェネさんが誰と寝ようが気にしません。
リジェネさんがしたいようにして、でも、最終的に自分のところへ帰ってきて笑ってくれさえすれば、それでいいのです。
リジェネさんもリジェネさんで、恋人であるライルさんに『俺の兄さんの相手をしてくれないか』と言われても、特にショックは受けません。
リジェネさんはアレやコレをするのが好きでしたし、なにより、ライルさんに頼ってもらえることを本当に嬉しいと思っているのです。
ですので、ちょっと小首を傾げつつ、こんな事を言います。

「でも、僕でいいのかい?女の子じゃあないから、色々と足りないと思うんだけど」
「いや、兄さんはツルペタ派だし、ショタ萌えもあるから大丈夫だ。三次元に興味を持ってもらえるなら、男か女かは問題じゃない」

ライルさんはそう答えると、「ああもう、オタク用語に慣れてきちまった」と言いながら、こめかみを揉みます。
リジェネさんはちょっと笑いながら、「ライルがオタクになったら性質が悪そうだね」なんて肩を揺らしてましたが、座っていた椅子から早々に立ち上がりました。

「じゃあ、支度してくるよ」

そんな風に言って、ライルさんのほっぺたに軽くキスをして、部屋を出てゆきます。
ライルさんは「ニーソは絶対穿いてこいよ」と言いつつ、手を振ります。


ニールさんの部屋に最終兵器が到着するのは、この一時間後の事です。

おたにる。 2

2008.12.6   上 au.舞流紆
最終兵器はリジェネさんでした、
(たまにはライルさんのことが大好きなリジェネさんが書きたいなあ、と思った、反省はやっぱりしていない、)






















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